担当授業のこととか,なんかそういった話題。

2007年に始めたgooブログから2025年4月にこちらへ移籍してきました。

2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

オートマトン・シミュレータ

Automaton Simulator の一つを見つけた。教育目的で大学の情報系の科目担当者が世界各地で作成して公開していそうなものであるが。Automaton Simulator以前初めてオートマトンの理論をかじったとき,クラスの有志でオートマトンを実演すると盛り上がるんじゃ…

Prolog で 2 進整数の 3 の倍数判定。

2 進表示された整数が 3 の倍数であるかどうかの判定は,我々が手で計算するにはいろいろな方法がある。例えばビットを交互に白と黒(実際には灰色)に色分けをし,白マス内の 1 と黒マス内の 1 の個数が同じであるとき,またその時に限り,2 進整数は 3 の…

今さら VS Code の日本語化。

2 進表示の整数が 3 の倍数であるかどうかを判定するオートマトンを模倣するプログラムを Prolog で作ってみたいと,春休みもぼちぼち終わりを迎えるタイミングで新しく余計なタスクを思い付いてしまった。今使っている PC に SWI-Prolog を入れていたつもり…

2 進数表示された 3 の倍数を受理するオートマトン

10 年前,常日頃大変お世話になっている I 先生の講義資料でほんの少しだけオートマトンの理論を学んだ。その頃だったと思うが,守屋悦朗先生の『形式言語とオートマトン』(サイエンス社,2001 年)の演習問題に,2 進数表示された 3 の倍数を受理するオー…

details/summary タグ

Typst で HTML の details/summary というアコーディオン式の文章折りたたみ機能が提供されていると便利なのだが。ただ,そもそも PDF がそのような機能をサポートしているかどうかがネックであろう。そして PDF がそういう機能を持っているのかどうかは知ら…

plainTeX をほんのお試し

そういえば Donald Ervin Knuth 氏は TeX の開発をいつ頃から始めたのであろうか。さっそく Wikipedia で TeX の項目を確認したが,1978 年頃のことらしい。Typst の開発は 2019 年に始まったそうなので,TeX 組版システムがこの世に生まれてから 40 年ほど…

PowerShell でシステム環境変数 PATH を編集する

Windows において,次世代の数式組版システムである Typst 用に,TeX Live フォルダ内の opentype というフォルダのパスを,Typst_Font_Paths という新規に作成したシステム環境変数に格納するという作業を PowerShell で行った。その際,現在の環境変数の値…

LINE みたいな吹き出しの対話形式の講義資料を目指して

一年前にあれこれ調べたところ,LaTeX で画像ファイルをプロフィールアイコン付きの LINE などのチャット形式 SNS 風の吹き出しを表示する方法があることを知って,そのサンプルコードを自分の環境でも試したことがある。そのときはそれだけで終わってしまっ…

PDFtk でページ番号の偶奇を入れ替える。

書籍の見開きスキャン画像を次のように処理して画像を中央で二分割したものに作り替える。・Adobe 社の Acrobat Reader で開く。・「印刷」メニューを開き,「プリンター」に Microsoft Print to PDF を選ぶ。・「ページサイズ設定」を「ポスター」にし,倍…

TeX Live 2025 をインストールしてみた。

初めにインストール先のパソコンのストレージを充分に確保すべく,外付けの大容量ハードディスクにたくさんのファイルを移動した。私はバージョンが異なる複数の TeX Live を共存させない方針を採用している。そのため,2024 のフォルダも丸ごと外付け記憶媒…

TeX Live 2025 がとっくにリリースされていた件

Windows の PowerShell にはかつて ISE という統合エディタ環境がセットで提供されていたらしいが,それは PS の Version 7.5.0 ではサポートされていないっぽい。代わりに Visual Studio Code を使えということのようだ。Visual Studio Code ではたくさんの…

数学の書き方

かつてアメリカ数学会から出版された,当時の著名な数学者 4 名のエッセーをまとめた小冊子 "How to write mathematics" (AMS, 1973) の一松 信先生による邦訳が共立出版の数学ワンポイント双書 19『数学の書き方』として 1978 年に出版された。その訳者あと…

PowerShell de 環境変数,覚え書き。

1. 新しいバージョンをインストールしたはずが見当たらなくて困った話ちょうど二週間ほど前に PowerShell の最新バージョンをインストールしたはずだった。それなのに・・・それなのに,Windows キー+R で「ファイル名を入力して実行」の小窓にPowerShellと…

Typst で源暎ノンブルを使えるようにする。

少なくとも日本では文芸書では 21 世紀に入って四半世紀が過ぎようという今になっても古い字形の数字がページ番号(業界用語でノンブル)に使われているのを見かける。とはいえ,敢えてそうしている本はそう多くはないのかもしれない。例えば今すぐに手元で…

数字の類似性

今さらの話なのだけれども。現代に伝わる数字の書き方の東西文化比較をしてみよう。【西の代表ローマ数字の場合】横書きのローマ数字はI, II, IIIときて,ここから耐えられなくなってIV, V, VI, VII, VIII, IX, Xと続ける。もっとも,IV ではなくて IIII ま…

Typst を触ってみる。

次世代の TeX というべき組版システム Typst. 公式サイトではユーザ登録をすれば無償でブラウザ上のオンラインアプリで文書を作成できる。もちろん手持ちの PC にインストールしてローカルで Typst を使用することもできる。その場合は,なんらかのテキスト…

3 階の反対称テンソルの和の公式

3 階の反対称テンソル ε(ijk) の積を Kronecker の delta δ(ij) の積の差に分解する,いわゆるベクトル三重積の展開公式と同値な公式ε(ijk)ε(klm) = δ(il)δ(jm) - δ(im)δ(jl)を,Feynman diagram で表す話を数年前に web で見かけた覚えがある。今回,その元…

ジョブズが「慣れるさ」と言った話。

Steve Jobs 氏が亡くなったのは 2011 年のこと。その後にネットでたまたま見かけた彼の逸話の一つに確かこんなのがあった。それは,タッチパネルによる操作は人々に受け入れられないのではないかという懸念を人から言われたときに,Jobs 氏が「人は慣れる」…

JIS Z 8000-2:2022 の変なところ。

備忘録。1.「表 6―数学的演算の記号及び表現(続き)」の「番号 2-10.2」で,式 a-b の意味を「a からみた b との差」と記しているが,通例では引かれる数 a の方が比較される値であって,引く数 b の方が基準値として解釈されるはずである。例えば 10 - 3 =…

そんな時代もあったというのか。

オンラインで国立国会図書館の利用者登録をしたところ,閲覧できるディジタル資料の数がとんでもなく増えた。そんな中の一冊である吉田耕作『線型作用素』(岩波書店,1947 年)の末尾に表紙と裏表紙の画像があるが,表紙にローマ字でSENGATA SAYOSOと書かれ…

雨宮一郎さんについて調べたこと

森毅さんの『位相のこころ』ちくま学芸文庫版を,おそらく出版された 2006 年ごろに買ったであろうから,もう 20 年近く所持し続けていることになる。本文は私には内容が高度過ぎてまるで歯が立たないので,巻末の「あとがき」と「文庫版あとがき」だけを眺…

大文字にすべきか,すべきでないか

英語のタイトルにおいては,名詞や形容詞,副詞,動詞などは大文字から始める習わしである。冠詞や前置詞は小文字で始めるものだと思っていたが,時折 to を To と書いているものを見かけて違和感を覚えていた。例えば Paul Halmos の自伝のタイトルはどちら…

シン・異世界マンガ

異世界もの,ようはファンタジーなのだが,根強い人気を誇るジャンルである。今では,人気が衰えるどころか,ますますバリエーションを増やして全盛期の観すらある。私はコロナ禍よりも少し前にスマホに移行して以来,複数のマンガアプリを渡り歩いて異世界…

簡易人物年表を作ってみた

暇だからこその特権。それにしても,ホント,今の世の中便利過ぎて怖い。気になる著名人が活躍していた年代なんて一瞬で調べられてしまう。名前をブラウザの検索窓に入力するだけの簡単なお仕事である。あ,音声入力とか,ハイテクは使いこなせる気がしない…

「互いにソ」という用語について

Felix Hausdorff の記念碑的な著作である „Grundzüge der Mengenlehre“ のごく最初の方で 2 つの集合 A,B に共通の要素がない場合,これらは zueinander f r e m d であるという,といったような定義が述べられている.これを日本では「互いに素」と言い表…